角膜移植とは

経験豊富な角膜移植医による角膜移植

角膜内皮移植術

角膜とはいわゆる「黒目」の部分で、実際は無色透明です。様々な疾患や、外傷によって角膜が濁ったり、変形したりすると光を通すレンズとしての機能が損なわれ、視力が低下してしまいます。

回復しない場合、ドナーからご提供いただいた健康な透明な角膜と交換して視力を回復させる角膜移植を行います。

手術について

手術の方法には、全層角膜移植術、角膜表層移植術、深層層状角膜移植術、角膜深層内皮移植術などがあります。

藤田医科大学羽田クリニックでは米国アイバンクの角膜を用いて手術するため、待機期間がなく、ご都合に合わせて手術が可能。入院する必要はなく、日帰りで手術が可能です。

before
after

角膜再生医療とは

難治性角膜疾患に対する再生医療

培養上皮シート移植

角膜上皮幹細胞疲弊症は失明に至る重篤な病気です。角膜の透明性が損なわれて、周りの結膜(白目)から血管を伴う組織によって覆われる状態となります。角膜上皮の幹細胞、あるいは患者さまご自身の口腔粘膜細胞を培養して移植する技術で治療いたします。

培養角膜内皮移植

水疱性角膜症では角膜の透明性が損なわれて、進行すると痛みも生じます。角膜内皮移植の他に、再生医療による治療も可能になりました。

手術について

患者さまご自身の細胞を使うため、細胞を採取する手術と移植する手術の、合計2回の手術が必要となります。
藤田医科大学羽田クリニックでは、本再生医療技術を保険診療で実施することができます。入院する必要はなく、採取及び移植手術はどちらも日帰りで手術が可能です。

before
after

屈折矯正手術とは

コンタクトレンズやメガネから解放される
裸眼での生活を実現

眼内コンタクトレンズ=ICL(Implantable Collamer Lens)の挿入

日本人に多い近視は眼軸(眼の長さ)が伸びることが主な原因です。
近視の矯正法にはメガネ、コンタクトレンズの他、外科的な治療が実施されています。

当院では、近年優れた実績を挙げているレンズを目の中に入れて視力を矯正する治療法ICLの挿入を採用しております。

目の中のレンズは、くもったり汚れたりしないので、日々のお手入れやメンテナンスは不要で、目の中でゴロつきを感じることもありません。
治療後に必要が生じた場合はレンズを取り出して元の状態に戻すことができます。

手術について

藤田医科大学羽田クリニックでは、入院する必要はなく、日帰りで手術が可能です。

白内障手術とは

老眼にも対応する遠近両用の眼内レンズ

多焦点もしくは単焦点眼内レンズの挿入

白内障は、目の水晶体(レンズ)の濁りにより、視力に影響を与える病気。
正常な状態の水晶体は透明ですが、白内障が進行するとその透明性が損なわれ、視界が曇り、ぼやけたりする、人や物が二重に見えるなどといった症状となります。
白内障の大部分は加齢によって生じますが、ステロイドの服用、糖尿病、眼外傷、アトピー性皮膚炎などによる若年性の場合もあります。

白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入することで治療します。白内障手術の歴史は長く、基礎疾患のない患者さんの多くは術後に視力が改善します。

当院では最新の多焦点眼内レンズを用いた手術を実施しており、遠方だけではなく、中間距離と近くもメガネなしで生活できる可能性が高い治療となります。
乱視計測機器を導入しており、精度の高い乱視矯正も可能です。

手術について

藤田医科大学羽田クリニックでは、入院する必要はなく、日帰りで手術が可能です。

メディカルレチナ治療とは経験と知識の豊富な専門家による治療マネジメント

抗VEGF療法(薬物の硝子体内(眼内)注射)

加齢黄斑変性は50歳以上の1%以上が罹患すると言われ、中心視力を脅かすことから読書や運転などに影響し、健康長寿の妨げとなりかねません。一方、高度近視に伴う近視性脈絡膜新生血管は、若年者にも起こり、進行が速いことが特徴です。

糖尿病では糖尿病網膜症の一種である糖尿病黄斑浮腫を生じることがあり、網膜症が軽くても黄斑浮腫をきたすことがあり、糖尿病を持つ方の約7.5%と高頻度に起こり得ます。

高血圧などの影響で生じる網膜静脈閉塞症は、40歳以上の2%が発症すると言われる頻度の高い病気です。これらの病気も黄斑部網膜に影響が及ぶと歪んで見えたり、視力が低下したりします。

いずれも抗血管内皮増殖因子療法(抗VEGF療法)という抗VEGF製剤の硝子体内注射による薬物療法を行います。病状に応じて適切な追加投与をすることが、長期にわたり良い視力を維持するために重要です。
藤田医科大学羽田クリニックでは、この治療に長年携わってきた経験と、世界的な動向を踏まえた最新の知識を元に、治療を進めます。また、これらの病気以外にも、血管病変や浮腫などの病的状態に対し抗VEGF療法が効果を持つと考えられるときには、行うことが可能です。

加齢黄斑変性 眼底写真(左上)

加齢黄斑変性では網膜の中心である黄斑に病的な新生血管を生じ、そこからの出血や血液成分の漏れ(滲出性変化)をきたします。そのため中心が歪んで見える、中心がグレイ~黒く見える、などの症状をきたします。

近視性脈絡膜新生血管 眼底写真(右上)

近視性脈絡膜新生血管では黄斑部に生じた脈絡膜からの病的な新生血管が、黄斑部の網膜に影響して、歪んで見えたり視力が下がったりします。

糖尿病黄斑浮腫 眼底写真(左下)

糖尿病黄斑浮腫では黄斑部網膜に血管内の水分が漏れて浮腫を来すと共に血液成分も漏れてきて網膜に沈着して、視力を脅かします。

網膜静脈閉塞症 眼底写真(右下)

網膜静脈閉塞症では黄斑に出血と浮腫が及ぶと、歪んで見えたりぼやけたりします。

治療例:網膜の光干渉断層計(OCT)画像(加齢黄斑変性)

加齢黄斑変性は生活習慣などの影響を受けやすい病気であり、発症以前からドルーゼンなどの前駆病変(加齢黄斑変性の予備群)が見られることがあります。
このような発症リスクのある方では特に、発症以前から気を付けておくべき点があります。
藤田医科大学羽田クリニックでは、精密検査を行い、これまでの研究結果をもとに最大限健全な状態に近づけるためのアドバイスを行います 。

抗VEGF療法前

病変による網膜色素上皮の盛り上がりと、それによる網膜下の滲出性変化があります。

抗VEGF療法後

療法によって、滲出性変化が消失しました。

手術について

藤田医科大学羽田クリニックでは、入院する必要はなく、日帰りで手術が可能です。

網膜硝子体手術とは

経験に基づく丁寧で堅実な手術

黄斑手術および増殖糖尿病膜症等の難治疾患の網膜硝子体手術

網膜の中心部である黄斑の上に膜が張る黄斑上膜(網膜前膜とも言います)(※左の写真)では黄斑の構造が歪むので、物がゆがんで見えたり、視力低下を来したりしてしまいます。また、黄斑に亀裂が入る黄斑円孔(※右の写真)では中心が途切れて見えたりし、同様に視力低下を招いてしまいます。

これらには、黄斑部の形態を回復させるための硝子体手術を行います。
手術は緊急ではないものの、ある程度早いほうが視力の回復が良好です。

藤田医科大学羽田クリニックでは、硝子体手術の経験豊富な術者が丁寧に手術を行います。
硝子体手術は、白内障手術と同時に行うことが多く、白内障手術の経験も豊富です。
病状によって単焦点眼内レンズだけでなく多焦点眼内レンズを入れられるか、ご提案させていただき患者さまにお決めいただきます。

治療例:網膜の光干渉断層計(OCT)画像(黄斑上膜)

糖尿病があると、自覚症状が出る以前から糖尿病網膜症が進行してくることがあります。放置すると失明して戻らない可能性があり、定期検査を行い適切な時期に網膜光凝固術(レーザー治療)を行い、病的な新生血管を抑制することが重要です。もし進行して病的な新生血管から硝子体出血や網膜剥離をきたした場合には、視力は下がりほとんど見えなくなることもあります。眼内の出血による濁りを除去し悪化防止のためレーザーを打つための硝子体手術が必要になります。
藤田医科大学羽田クリニックでは、重症な増殖糖尿病網膜症を多数例経験し、硝子体手術の経験豊富な術者が丁寧に手術を行います。また、硝子体手術を必要とする以前に診断がついた場合には、外来で網膜光凝固術(レーザー治療)を行うことも可能です。

硝子体手術前

黄斑上膜(矢印)があり、網膜は上に吊り上げられたようになっています。

硝子体手術後

手術後には膜は除去され、黄斑部網膜のくぼんだ形がはっきり見えます。

治療例:網膜の眼底写真画像(増殖糖尿病網膜症)

無治療の増殖糖尿病膜症であり、病的な新生血管から硝子体出血(眼内出血)を来しています。

硝子体手術を行い、出血は除去され網膜光凝固術が行われ、糖尿病網膜症は落ち着きました。

手術について

藤田医科大学羽田クリニックでは、入院する必要はなく、日帰りで手術が可能です。

網膜色素変性等に対する遺伝子検査とは

皆が受けられる遺伝学的検査

遺伝子変異の解析と遺伝カウンセリング

遺伝性網膜神経変性疾患である網膜色素変性は人口の4000-8000人に1人という高頻度で見られます。徐々に見える範囲(視野)が狭くなり生活に支障をきたすこともあります。

最近になり治療開発が進められ、国内ではRPE65という遺伝子に変異がある方に対する遺伝子治療が始まりました。その対象者を確定するために国内で作られた遺伝性網膜ジストロフィの遺伝子パネル検査システム「PrismGuide™ IRDパネル システム(シスメックス株式会社)」は、合計82の遺伝子について解析可能で、保険診療ではRPE65変異を疑われる方のみに適応となっています。

この解析パネルシステムは、臨床診断に用いることのできるように充分に検証されたハイクオリティのもので、この遺伝子の情報が、今後臨床応用される再生医療にも必要となります。

藤田医科大学羽田クリニックでは、ご希望の方ではだれでもこの遺伝子検査を受けることが可能です。また、遺伝カウンセリングがありますので、お一人おひとりの状態にあった相談が可能です。今後の生活設計を考えるための日常生活の送り方やロービジョン外来の紹介、治療の可能性などについて知識を得ることが可能となります。

遺伝性網膜ジストロフィ 遺伝学的検査パンフレット

開発中の次世代医療である 網膜細胞の移植再生医療に必要な準備診断とは

次世代医療である網膜細胞の移植再生医療に向けて必要な準備

網膜と視機能の状態の診断及び必要に応じて移植再生医療に向けた準備治療

網膜の移植を含めた再生医療の開発は、飛躍的に進められています。
殊に2006年に発表された人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell, iPS cell)を用いた研究は、臨床試験が行われており、近い将来より多くの方に届けられるようになる予定です。

藤田医科大学羽田クリニックでは、実際に治療を行った際にその効果を最大限に引き出せるよう、準備診断を始めました。

網膜の構造や視機能の精密検査を受けていただき、治療に適合するかなど、専門家チームで検討させていただきます。そして、適合する方には準備リストに加わっていただき、必要に応じて移植までにできる治療や準備をともに進めていただきます。
移植治療を受けるためには、ご自身の持つ網膜機能がなるべく保持されていることが好ましいとされています。