認知症精密健診がアルツハイマー新薬による 治療の扉を開きます

☑ 物忘れや物覚えが悪くなって仕事や日常生活に支障がある
☑ 物忘れや物覚えの悪さが徐々に進んでいる
どちらにもあてはまる方に

アルツハイマー病に対するレカネマブ(薬品名 レケンビ)を皮切りに認知症に対する様々な治療薬が登場してくる「認知症疾患治療の新時代」を迎えています。 アルツハイマー病を疑われる方や、認知機能の低下により日常生活に支障をきたしておりアルツハイマー病が心配な方に、レカネマブやドナネマブ(薬品名 ケサンラ)による保険治療適応の判断に必要な検査を行います。
健診の結果を専門医からご説明のうえ、ご希望があればレカネマブ・ドナネマブによる保険治療が可能な医療機関をご紹介いたします。 なお当クリニックではアルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行抑制に効果が示されているレカネマブもしくはドナネマブによる自費治療も行っています。

※認知症医療に関する関連6学会合同提言(2022年11月)

認知症精密健診担当医師・専門スタッフ

  • 並木 淳Jun Namiki

    • 藤田医科大学医学部臨床再生医学 客員教授
      藤田医科大学東京 先端医療研究センター 

    • 専門領域
      救急医学
      脳神経外科学
      神経科学一般

認知症精密健診で分かること

アルツハイマー病で脳に蓄積するアミロイドベータを脳PET(Amyloid PET)で検出し、血液バイオマーカー検査で脳への沈着の指標(Plasma Aβ(Aβ42/Aβ40))にします。
脳MRIでは脳萎縮のほか認知症の原因となり得る器質的疾患(正常圧水頭症など)を診断し、レカネマブ・ドナネマブ治療の副作用リスク(脳浮腫や脳微小出血など)について判定します。
認知機能検査で認知症の程度を診断し、レカネマブ・ドナネマブ治療の適応を判断します。

アルツハイマー病の病理を説明した上図のうち、血液中のアミロイドベータの 重合体検出(MDS-OAβ)、脳脊髄液検査(CSF Aβ)は行っておりません。

ご予約から健診当日までの流れ

  1. ご予約

    〇ご予約は健診日1年~1か月前
    〇健診日は毎週木曜日(年末年始・休日を除く)
     ※健診受付時間8:45~9:45、健診終了時間:14:00~15:00頃が目安となります。
    〇ご予約はお電話(03-5708-7860)か問合せフォームよりご連絡ください。

  2. 事前問診票・検査説明書等の確認および返送

    〇健診日2ヶ月~1か月前頃
     ※郵送もしくはメールにてお送りいたしますのでご確認ください。

  3. 予約内容および留意事項の確認

    〇健診日2営業日前
    〇担当者よりお電話いたします。
    〇検査の6時間前から絶食となります。※アメ・ガムなども食べないようにして下さい。
     (水・糖分を含まないお茶などの接種は可)

  4. 健診日当日

    〇事前にご案内する受付時刻までにご来院ください。
    〇各種検査の待合いは専用個室をご用意し、検査の進行はコンシェルジュがご案内いたします。
    〇健診日の当日午後に専門医から健診結果のご説明をいたします。
    〇血液バイオマーカーの検査結果は約一週間後、書面によるご報告となります。専門医による対面での結果説明をご希望の方は受診予約を承ります。

検査の種類

脳画像検査 脳MRI
認知機能検査 Mini Mental State Examination(MMSE)スコア
Clinical Dementia Rating(CDR)スコア
アミロイドベータ検出 脳アミロイドPET
医療機関からのご紹介に限り、脳アミロイドPETのみの検査も承ります。 この場合、当クリニックでの診察・結果説明はありません。
血液バイオマーカー検査 アミロイドβ42/40

※認知症医療に関する関連6学会合同提言(2022年11月)

検査の流れ

  1. 午前

    〇脳画像検査
    〇認知機能検査
    〇脳アミロイドPET
    〇血液バイオマーカー採血

  2. 午後

    〇専門医による健診結果の説明
    〇治療医療機関ご紹介(希望される方のみ)
    ※血液バイオマーカー検査結果は後日書面によるご連絡となります
    (対面説明の予約も可能です)

料金

  認知症精密健診  572,000円
 医療機関からのご紹介による脳アミロイドPET検査  396,000円
※海外居住者の方は、料金が異なりますのでお問い合わせください。
※表示価格は全て税込価格です。

よくあるご質問

 Q1 「認知症は予防できる時代になりました」とは、食事や運動などの生活習慣のことですか?

 生活習慣も大切ですが、アルツハイマー型認知症については認知症を発症する前に予防できる新薬(抗アミロイドβ抗体薬といいます)が開発されました。
「認知症精密健診」ではアルツハイマー新薬の適応判断に必要な検査を行います。
また、血管性認知症は動脈硬化性の脳血管障害(虚血性脳血管障害)の予防や進行抑制が重要ですので、高血圧・高コレステロール血症・糖尿病などの生活習慣病のコントロールが認知症発症予防に繋がります。

 

Q2 認知症は治らないのに、認知症の健診を行う意味はあるのですか?

 残念ながら認知症の進行を遅らせることはできても、認知症を薬で治すことはできません(2025年現在)。
しかしアルツハイマー病に関しては、脳にアミロイドβという異常タンパク質が沈着し始めて20年近くたってから認知症が発症することが分かっています。
「認知症精密健診」では、認知症を発症する前の段階で(前臨床期や軽度認知障害といいます)アルツハイマー病を診断することができます。
 

Q3 アルツハイマー新薬とは、これまでの薬よりも効果が高い新しい薬という意味ですか?

アルツハイマー病に対するこれまでの薬は「症状改善薬」と呼ばれ、認知症の症状を改善することはできても認知症を治すことはできませんでした。
アルツハイマー新薬は単に効果が高いというだけでなく、全く新しい「疾患修飾薬」すなわちアルツハイマー病で最も早期に脳に沈着するアミロイドβという異常タンパク質を除去する効能があり、早期のアルツハイマー病であれば治すことが期待できる抗アミロイドβ抗体薬です。

 

Q4 「認知症精密健診」は、なぜ認知症検診ではなく健診なのですか?

「認知症精密健診」は認知症を見つける検診ではなく、認知症に関する健康診断です。
アルツハイマー病は脳内の異常タンパク質の蓄積が原因であることが分かっており、その引き金となるアミロイドβタンパク質を認知症になる前の段階で、PETと血液バイオマーカー検査により可視化します。
血管性認知症は、動脈硬化などによる脳血管のつまり(脳梗塞)が原因で脳機能が低下し認知症を発症します。認知症になる前の段階で、MRIにより脳の微小な梗塞巣を数ミリメートルのレベルで検出します。
 

Q5 誰でもアルツハイマー新薬の治療は受けることができますか?

いいえ。アルツハイマー新薬すなわち抗アミロイドβ抗体薬は予想される効果と副作用の兼ね合いで治療適応が判断されます。
MRIで脳にむくみや出血などがみられると副作用のリスクが高いため、抗アミロイドβ抗体薬の治療は行えません。
また、認知機能検査で認知症が進んでしまっている場合や、逆に物忘れ症状が軽度で時々にしかみられない場合は適応になりません。
 

Q6 将来発症する可能性がある段階でアルツハイマー型認知症の予防治療を受ける意味はあるのですか?

アルツハイマー病では認知症が発症する前からアミロイドβという異常タンパク質が脳に沈着します。アルツハイマー新薬(抗アミロイドβ抗体薬)でアミロイドβを除去し、将来の認知症の発症を予防します。
早期のアルツハイマー病でも病期が進行してから(脳にアミロイドβに続いてリン酸化タウという異常タンパクが高度に沈着してから)では効果が低くなることが分かっています。
10年以上先まで認知症にならない健康長寿を目指したいけれども、最近物忘れ症状が気になり始めた世代の方に「認知症精密健診」をお勧めします。MRIで脳に副作用リスクがなければ、抗アミロイドβ抗体薬による副作用(脳のむくみや出血で症状を伴う副作用)は、4.2~7.3%の頻度と報告されています。
 

Q7 「認知症精密健診」を受けたあとはどうなりますか?

アルツハイマー病に対する抗アミロイドβ抗体薬の適応と診断された場合は、ご希望により治療が可能な保険医療機関をご紹介いたします。最終的な治療適応は紹介先の専門医の判断になります。
自費治療をご希望の場合は、当初の6か月間は提携医療機関で、その後の12ヶ月は当クリニックで、専門医が選択した薬剤の種類(レケンビ®またはケサンラ®)により月2回もしくは月1回の点滴治療を通院で行います。
アミロイドPETの結果が正常範囲内でも、血漿アミロイドβが陽性の場合は対面での専門医からの詳しい説明をお勧めしています(追加料金はありません。血漿アミロイドβの結果は約1週間後に郵送でのご報告になります)。
脳の微小梗塞巣など脳血管認知症に関連した所見を含め、MRI所見あるいは血液検査結果でフォローアップや治療が必要な場合は、健診当日の結果説明でご案内いたします。

 

お問い合わせ先

藤田医科大学 羽田クリニック

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